2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20540131
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
安田 英典 城西大学, 理学部・数学科, 教授 (30406368)
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Keywords | 新型インフルエンザ / 流行伝播 / シミュレーション / ワクチン接種 / 家庭隔離 / 学校閉鎖 / H1N1 / ポストアナリシス |
Research Abstract |
中央線沿線地域を対象としたインフルエンザ流行伝播仮想中央線モデルによってインフルエンザの流行シミュレーションを行い,学校閉鎖,家庭隔離,ワクチン接種などの対策の評価を行ってきた.仮想中央線モデルは,吉祥寺駅,立川駅,八王子駅,新宿駅,東京駅の沿線地域の人々の生活をモデル化したIndividual based modelである.モデルは人口8800人のスケールダウンしたモデルである.2009年春に神戸,大阪で新型インフルエンザH1N1が勃発した.流行は学校閉鎖,家庭隔離などのsocial distancing対策によって封じ込められた.しかしながら,地域社会の負担は大きなものであった.7月初めに流行は再燃し全国に拡大した.ワクチンは間に合わず対策は依然social distancingが中心であった.夏休みに発生した孤立した小集団での流行データをもとに新型インフルエンザH1N1の流行伝播パラメータの決定を行い,流行伝播シミュレーションを実施した.シミュレーションに基づいて学校閉鎖,家庭隔離などsocial distancingを中心に対策の評価を行い,11月に急ぎに発表した.流行は秋,冬と継続し終息は2月末となった.新型インフルエンザでは,感染した学童の成人対する割合が季節性インフルエンザとは大きく異なっていた. 本年度は,流行終焉後,公開された実データとシミュレーションによってポストアナリシスを行い,季節性インフルエンザとH1N1の流行伝播の差異について研究した.また,別途,流行の数学的本質を検討するためのメタファーモデル(2相流浅水波方程式+SIRモデル)の研究を行い,メタファーモデルの計算手法を開発した,開発した手法は一般的な計算にも援用できた.
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Research Products
(4 results)