2008 Fiscal Year Annual Research Report
ある種の遅れを持つ関数微分方程式の数値計算と定性的性質について
Project/Area Number |
20540137
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石渡 恵美子 Tokyo University of Science, 理学部, 准教授 (30287958)
|
Keywords | 数値解析 / 関数微分方程式 / 大域的安定性 |
Research Abstract |
複数の区分的遅れを持つ非線形差分方程式の平衡解の大域的安定性に関し,既存の十分条件を拡張した論文(Y. Muroya, E. Ishiwata, K. Uesugi, JMAA294,2004)の結果を,縮小写像を応用した概念を用いることで,パラメータqを含む問題にまで応用した. さらに遅延微分方程式に関する研究のきっかけを与えてくれたH. Brunner教授(Newfoundland大学, Canada)の呼びかけによって開催されたワークショップ(香港侵食大学)のProceedingsが2008年度に刊行され,遅延積分微分方程式の数値解析に関する論文と上記の十分条件の拡張に関する論文が掲載された(研究発表[雑誌論文]欄2,3番).さらにBrunner教授との共著論文も既に掲載されている(同欄1番). 申請者は上記の2本の論文(同欄1,2番)において,パンタグラフ方程式やVolterra積分微分方程式に対し,選点法における一様に近い分点の選び方の改善を提示している.比例的遅れを持つパンタグラフ方程式は一見,単純な方程式のように思われているが,Brunner教授が度々解説されているようにまだ未解明な部分が多い.また最近では,これらの定性的性質も注目されるようになり,数値解析と解の定性的性質の両面に携わっていることに十分な意義があると考えられる.
|
Research Products
(4 results)