2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540138
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 敦 Nihon University, 生産工学部, 准教授 (90304039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 惟倫 大阪大学, 基礎工学研究科, 名誉教授 (00047218)
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Keywords | ソボレフ不等式 / 離散 / グリーン関数 / 再生核 / ベルヌーイ多項式 / 超幾何関数 |
Research Abstract |
線形微分作用素および差分作用素の2点境界値問題のグリーン関数を求めた。グリーン関数はヒルベルト空間および内積を適切に設定すると、その再生核となる。次に再生核理論の応用として、特殊な場合のソボレフ不等式の最良定数を具体的に計算することに成功した。またグリーン関数はベルヌーイ多項式や超幾何関数など各種特殊関数で書かれ、ソボレフ不等式は特殊関数についての新しい不等式や恒等式を与える。本年は以下の研究成果を得た。 1.自由端境界値問題のグリーン関数を超幾何関数のホイップルの公式を用いて閉じた形で求めた。また高階のソボレフ不等式の最良定数を求めることに成功した。 2.2M階線形差分作用素の境界値問題のグリーン関数(ペンローズムーア一般化逆行列)を求めた。またグリーン関数の再生核としての構造を調べることによって、これまでに手がけられたことのなかったソボレフ不等式の離散化に成功した。グリーン関数はベルヌーイ多項式の離散類似を用いて書かれ、離散ソボレフ不等式の最良定数をリーマンゼータ関数の離散類似によって表示した。 3.有界閉区間上の固定端境界値問題のグリーン関数を求めた。グリーン関数は適切に内積を定めると、与えられた関数のj階導関数を再生する第j再生核となる。またこのことから一般化されたソボレフ不等式を導出し、その最良定数を求めた。 研究代表者は2008年6月サンタデール(カナダ)で開催された国際会議Symmetries and Integ rability of Difference Equation8で離散ソボレフ不等式に関する研究発表を行った。
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Research Products
(4 results)