2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540138
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 敦 日本大学, 生産工学部, 准教授 (90304039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 惟倫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 名誉教授 (00047218)
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Keywords | ソボレフ不等式 / 最良定数 / 離散化 / 正多面体 / 熱作用素 / 楕円θ関数 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は基礎科学の諸分野に登場する微分方程式および差分方程式の境界値問題のグリーン関数(グリーン行列)を求め、対応するソボレフ不等式および離散ソボレフ不等式の最良定数を求めることである.平成23年度は多面体および離散化された糸の周期境界値問題に対応する離散ソボレフ不等式および高階熱作用素および高階定常熱作用素の境界値問題に付随して現れるソボレフ不等式を導出して,その最良定数を厳密に求めた.主要な結果は以下の通り. 1.正4,6,8,12,20面体上で離散ラプラシアン行列を考え,対応する離散ソボレフ不等式を導出して,その最良定数と最良関数(最良ベクトル)を具体的に計算した.最良定数は離散ラプラシアン行列のペンローズムーアー般化逆行列(グリーン行列)の対角線値の最大値で与えられる.また最良定数の値は同時に離散ラプラシアン行列のゼロ固有値を除く固有値の調和平均で与えられた.本研究成果は1編の和文論文として日本応用数理学会和文誌に発表,掲載された. 2.2M階熱作用素および2M階定常熱作用素の周期境界値問題のグリーン関数を楕円θ関数を用いて構成するとともに楕円関数の性質を駆使してグリーン関数のL^2ノルムを計算することに成功し,このL^2ノルムがあるソボレフ型不等式の最良定数を与えることを示した.本研究成果は1編の英文論文としてJSIAM Lettersに発表,掲載された. 3.糸の周期境界値問題の離散版を出発点として,そのグリーン行列を求めた.また対応する離散ソボレフ等式を導出してその最良評価を行った.本研究成果は1編の英文論文としてKumamoto Journal of Mathematicsに発表,掲載された.
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Research Products
(3 results)