2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540144
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
二宮 広和 Ryukoku University, 理工学部, 准教授 (90251610)
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Keywords | 反応拡散系 / 爆発問題 / 解の大域的存在 / 反応律速極限 / 進行波解 / 全域解 |
Research Abstract |
本研究では,反応拡散系に関する3つについて研究している.まず,解の大域的な挙動に関して,単独反応拡散方程式の解の大域的存在のための必要十分条件を調べている.非線形項が振動するような場合を含む部分的な結果が得られたので,仙台で開催された国際研究集会3^<rd>Euro-Japanese workshop on blowupにおいて口頭発表を行った. 次に反応拡散近似については,宮崎大学飯田雅人氏(連携研究員),明治大学三村昌泰氏,パリ南大学ダニエル・ヒルホースト氏と共同で研究している.m個の反応拡散系とm個の常微分方程式系からなる2m成分系の反応拡散系の解のL^p空間での強収束についてはすでに得られたので,収束先の解がみたす方程式系について調べている.また,別の方程式系に対しても反応律速極限について調べている.これらの研究により,反応律速極限に必要な条件の見通しが出てきた. 3つ目のテーマであるアトラクターに関する研究としては,龍谷大学森田善久氏と共同で新しい非平面進行波解の構成を行い,論文にまとめた.これは,双安定な反応拡散方程式にも不安定非定数定常解が存在することに着目し,その不安定定常解と安定定常解をつなぐ進行波解の存在を示した.これにより,非平面な等高面をもつ新しいタイプの進行波解の存在がわかった.この進行波解は,フィッシャー方程式のような単安定系に見られるような進行波解であるので,ある速度より大きな速度に対して存在することが分かった.他の形状の進行波解の存在も現在研究を行っている.
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Research Products
(2 results)