2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540145
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保 泉 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (70022621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 耕一郎 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20241292)
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Keywords | 解析学 / カオス / 白色雑音系 / 確率解析 / 数理物理 / 直交多項式系 / 母関数 / 特殊関数 |
Research Abstract |
白色雑音解析の研究に現れるmulitiplicative renormalization method(MRM)を古典的な実軸上の確率測度μに適用して、その直交多項式の母関数を調べる系統的な手法を解明しつつある。正規化因子h(x)=exp[x]とh(x)=(1-x)^c(c=-1, 1/2)に対して研究代表者と共同研究者H. -H. Kuo, Suat Namliによって、MRM-適用可能なクラスを完全に決定することに成功していた。今年度の第一目標としては、正規化因子h(x)=(1-x)^c(c<1/2)に対してMRM適用可能な測度を決定することを掲げたが、これを完全に決定することに成功した。c=-2の場合には、Namliの方法を拡張することで解決し、国際会議のProceedingsに掲載が決定している。一般の場合には、新しい手法を開発することで解決し、論文を準備中である。最近、全く異なるアプローチによる他の研究者の結果も発表され関心が深まっている。 第二の目標は、古典的な母関数に現れる上記のh(x)以外の正規化因子が存在するか、またどのような関数が正規化因子となれ得るかを調べることであった。まずh(x)=(1-x)^cを正規化因子にもつ測度であるベータ分布に対して、逆にそれの正規化因子を完全に決定することができ、その結果、超幾何関数が正規化因子として新しく現れた。更に超幾何関数F(-;κ;x)を正規化因子としてMRM適用可能な測度(直交多項式)を完全に決定し、Wilson多項式を含む新しいクラスを見出している。これらの結果は既に雑誌に掲載されている。 現在、h(x)=exp[x]を正規化因子にもつ測度はMeixnerクラスであるが、逆にこのクラスの分布がMRM適用可能になる正規化因子を全て決定することができ、論文として投稿中である。ここでも、新しく見出された因子は特殊な超幾何関数である。
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Research Products
(5 results)