2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540148
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
中路 貴彦 北星学園大学, 経済学部, 教授 (30002174)
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Keywords | 多変数 / 重み付き / Hardy空間 / 不変部分空間 / Toeplitz作用素 |
Research Abstract |
n=2のときの重みの付かないHardy空間H^2(T^2)上のToeplitz作用素のスペクトルを研究して、自共役のときそれをsymbolを用いて完全に描き、重みの付いたHardy空間H2(T2)上でのToeplitz作用素のスペクトルの研究への道すじをつけた。n=1のときの重みの付かないL^2(T)上の特異積分作用素のスペクトルを、重みの付かないHardy空間H^2(T)上のToeplitz、作用素のスペクトルを用いて研究した。作用素が自己共役のときそれをsymbolを用いて.完全に描いた。その方法は重みの付いた場合にも用いることができることが期待される。 特異積分作用素はHardy空間H^2(Tn)Toeplitz作用素とHankel作用素の二つの性質を合せもつ。 Toeplitz、Hankel作用素が正規作用素となsymbolはn=1のときは決定されていて良く知られている。この研究では、n=1の場合に特異積分作用素が正規作用素となるのはいつかを調べた。これはToeplitz作用素やHankel作用素のとき比較すると、はるかに難しいが、特別な場合に完全に解決した。一般的な場合に解決の方向を見つけた。 重みの付かないHardy空間H^2(T^2)上のToeplitz作用素がhyponormalとなるsymbolを研究した。しかしn=1のときの強立な道具であったSarasonのgeneralized interpolationに相当する定理がn≧2のときには知られていないので、それを証明する努力をしたが得られなかった。それで、その定理を避ける方法を取ったが、n=1のときと著しく状況が異なることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重みの付かないHardy空間H2(T2)上のToeplitz作用素で、そのシンボルが実数値関数であるときにそのスペクトルを決定できた。そこで用いた証明の方法は、重みの付いたHardy空間H^2(T^2,μ)上へ一般化することは可能と思えるので(2)を付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
Toeplitz作用素のスペクトルを調べている過程で、n=2のときそれがnormalあるいはもっと一般的にhyponormalとなるのはシンボルがどの様な時かを知る必要が生じた。またその道具としてHardy空間H^1(T^2)上の極値問題の研究が必要になった。
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