2009 Fiscal Year Annual Research Report
双曲型方程式の超局所構造の解析とコーシー問題が適切となる双曲型方程式の特徴付け
Project/Area Number |
20540155
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
若林 誠一郎 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10015894)
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Keywords | 双曲型作用素 / コーシー問題 / C^∞適切性 / 2階双曲型方程式 |
Research Abstract |
平成21年度は、主要部の係数が時間変数のみに依存する2階双曲型方程式に対して、そのコーシー問題のC^∞適切性の特徴付けについて研究し、以下の結果を得た。 (1)コーシー問題がC^∞適切になるための十分条件を得た(空間次元に制限を置いていない)。低階が解析的であることを仮定する必要があったが、前年度までの研究での仮定(低階が時間変数のみに依存)を除くことが出来た。これは本研究の目標の一つであり、本研究を通して開発した方法・手法を適用することにより、目標の問題の一つを解決することが出来た。 (2)係数が実解析的で空間次元が2の場合に(時間・空間あわせて3次元)、C^∞適切であるための必要十分条件を得た。また、係数が時間変数の多項式であるときにも、C^∞適切であるための必要十分条件を得た。これにより、必要条件において係数が時間変数の多項式であるという仮定を除くことが、本研究の最大の目標となった。 (3)不十分ではあるが、係数が実解析的である時、滑らかな固有ベクトルを用いて2次形式が表現できることに注意して、C^∞適切であるためのいくつかの必要条件を得た。 (4)前年度に引き続き(1)、(2)の結果を2重特性的な高階双曲型方程式に拡張することを考えて、いくつかの基本的な結果を得た。但し結果をきれいな形で与えることは今後の課題である。 (1)、(2)、(3)の結果をまとめて投稿予定である。また既にセミナー及び研究会において、得られた結果について講演を行った。この結果は双曲型方程式の研究において、基本的な結果になるものと考えている。
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