2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540156
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 群馬大学, 教育学部, 教授 (40193495)
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Keywords | 作用素空間 / 数域半径作用素空間 / ノルム空間 / 完全有界性 / 完全正値性 / 行列作用素システム |
Research Abstract |
90年代、Effros-Ruan,Blecher-Paulsenらによって、一般のノルム空間Xに対しても、Xを作用素空間とする多様なノルムの列の存在(言い換えるといろいろなB(H)へめ埋め込み)が示された。しかしながらXが順序構造を持つ場合その埋め込みは、順序を保存していない。実際、*すら保存しない。一方、70年代後半、Choi,Effrosは、作用素システムが順序単位をもてば、XからB(H)の中への完全正値順序同型が存在することを示した。しかし、順序を保存しても、ノルムの保存は、得られない。順序とノルムの両方を保存するB(H)への埋め込みが課題となった。私と渚(千葉大)は、2004年、作用素空間の背後にある多様な数域半径作用素空間の存在を見出し、特に、行列空間上の最大数域半径ノルムの特徴付けを通じて、ヒルベルト空間上の有界線形作用素に定義される通常の数域半径ノルムが、数域半径作用素空間と見たとき最大であることを示し、*を保存する埋め込みを得た。そして、その多様性を記述する具体的な表現と可換な作用素の解析が必要となった。表現と可換な作用素としてテープリッツ作用素を考察する中で、Rizky Rosjanuardiの半直積から作られるテープリッツ環のUpwards-Looking Topologyの持つ位相的性質が、研究を進める推進力となることがわかり、Rizkyとの共同研究を進めた。今年度の収穫のとしてUpwards-Looking Topologyに伴うテープリッツ環のイデアルの構造を解明し、特に、極大イデアルの形を決定した。
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Research Products
(2 results)