2008 Fiscal Year Annual Research Report
偏微分方程式とトモグラフィの超局所解析的ならびに離散的方法による研究
Project/Area Number |
20540157
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
金子 晃 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30011654)
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Keywords | 偏微分方程式 / トモグラフィ / 解の爆発の臨界指数 / スイッチンググラフ |
Research Abstract |
共同研究者の博士課程院生長濱里奈とともに2方向投影トモグラフィの解集合が成すスイッチンググラフの研究を進め,与えられた位数のグラフを実現する最小図形のピクセル数の評価を導き,これによってスイッチンググラフの数え上げの基礎を与えた.またコンピュータを用いて具体的に位数15までのスイッチンググラフの数え上げを遂行した.この計算には,膨大な時間がかかるので,幾何学的変換による重複を省き,存在が確実に分かっている典型図形を除くことにより,探索パターンのサイズを更に絞り込む等の工夫が必須であった. この上で,並列マシンとして組み立てたフェノムクワドコアのパソコン4台をフル稼働させて実行した.この結果は本学の理学部紀要に投稿中である.またフランスのコスタ氏とピクルー氏を招聘し共同研究の結果、スイッチンググラフのハミルトン性の証明にはハイパーコーダリティだけでは不可能なことが明らかとなり進展の糸口が得られた. 共同研究者の院生西川史恵とともに対数型非線型項を持つ非線型熱方程式u_t=Δu+u(1+log u)^p(u>1),u_t=Δu+u(1-log u)^{-p}(u<1)の爆発の対数的臨界指数を般化された回転放物型領域x_n>(x_1^2+...+x_{n-1}^2)^{q/2}においてp*=2/(q-1)と具体的に決定することができた.この証明には,従来のラプラス変換による計算が使えず,優解と劣解を直接構成し評価するという,新たな手法を開発し,従来の冪型非線型項に対してもそれが有効であることを示した.また,この方向での新たな問題の可能性を示すことができた.この結果は本学理学部紀要に投稿中である.
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