2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540162
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 博志 Kanazawa University, 機械工学系, 教授 (80188440)
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Keywords | 関数解析学 / 統計力学 / 確率場 / Bose-Einstein凝縮 |
Research Abstract |
量子統計力学として定式化できないか、または解析が困難な問題を部分的に扱う方法として確率場、特にRandom Point Fields [RPF]を捉える立場から研究を行っている。今年度の研究としては、BEC状態にある粒子系の分布を、中心極限定理や大偏差原理を用いて特徴付けることを行った。 前年度、ポテンシャルによって与えられる外場により閉じ込められたBosonガスの平均場理論を考え、量子統計力学的定式化によって粒子の位置を与えるRPFをスケール変換に依って構成したが、それを用いて、一辺Lの立方体内の気体の平均密度が、Lに関する冪がd-2であるパラメータに関する大偏差原理が成り立つことが示された。これは、BEC状態でない場合はLに関する冪がdのパラメータに関する大偏差原理が成立することが知られているが、それとの挙動の明確な違いを与えた。 さらに、異なるスケール変換によってBosonガス系全体の挙動の研究を、中心極限定理や大偏差原理を確立するという立場から行った。上と同様、BEC状態とそうでない場合とで、挙動の違いが得られた。なお、ここでは、ポテンシャルは1点で最小値を与えるような滑らかな関数を仮定した。
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Research Products
(2 results)