2009 Fiscal Year Annual Research Report
双曲型と分散型方程式に対する局所平滑化評価式の研究とその応用
Project/Area Number |
20540165
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
肥田野 久二男 Mie University, 教育学部, 准教授 (00285090)
|
Keywords | 波動方程式 / 初期値問題 / 適切性 / 時間空間評価式 |
Research Abstract |
Chengbo Wang氏(Johns Hopkins大学),横山和義氏(北海道工業大学)と共同で,時間変数と空間変数の両方に依存する係数をもった2階の双曲型波動方程式の解が満たす時空L^2評価式の研究をコーシー問題の枠組みで行ないました.これは定数係数の場合に,論文A remark on the almost global existence theorems of Keel, Smith and Sogge"(Kunio Hidano and Kazuyoshi Yokoyama, Funkcialaj Ekvacioj, Vol.48(2005), 1-34)で得られていた評価式を変数変数の場合に拡張しようという試みでした.定数係数の場合に用いられた尺度変換による工夫が変数係数の場合にはうまく機能しないことが困難な点でした. 米国のJason Metcalfe氏とChristopher D.Sogge氏は,2005年に発表された論文の中で障害物の外部における初期・境界値問題を研究しました.彼らは定数係数の場合に用いられていたIgor Rodnianski氏の方法を変数係数の場合に一般化することに成功し,外部領域での問題設定で時空L^2評価式の導出に成功しました.これにより全空間での問題を考えていた私たちが行なうべきことは,空間原点の近くで望ましい時空L^2評価式を導くことでした.幸いにもJason Metcalfe氏から大変に役立つ助言を頂けて,上述した私たちの試みが完遂されました.その評価式は球対称でなめらかさの低い初期値をもつときの準線型波動方程式の初期値問題に対する適切性に応用された,論文Space-time L^2-estimates and life-span of the Klainerman-Machedon radial solutions to some semi-linear wave equations"(Kunio Hidano and Kazuyoshi Yokoyama, Differential and Integral Equations, Vol.19(2006), 961-980)の中で半線形の方程式に対して得られていた結果が準線型の場合にまで拡張されました.
|
Research Products
(1 results)