2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540167
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中井 英一 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (60259900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 義弘 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00093815)
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Keywords | 変動指数 / 関数空間 / 分数べき積分 / Lipschitz空間 / Hardy空間 / Campanato空間 / Morrey空間 / Orlicz空間 |
Research Abstract |
「変動する指標をもつ関数空間」の理論を構築するため、世界的に研究が進んでいる「変動指数をもつLebesgue空間」の先行研究を踏まえ、「変動指数をもつLipschitz(Holder)空間」や「変動指数をもつHardy空間」およびこれらを一般化した関数空間の様々な性質を調べた。また、Lebesgue空間の一般化であるOrlicz空間、Morrey空間のさらなる一般化の研究を行い、変動する指標をもつ関数空間との関連を調べた。 得られた結果は次の通りである。 1.Hardy空間の共役空間がLipschitz空間になることが従来から知られている。本研究では、この従来の関係が保たれる形で「変動指数をもつHardy空間」と「変動指数をもつLipschitz(Holder)空間」を定義することに成功した。すなわち、ここで定義した「変動指数をもつHardy空間」の共役空間が「変動指数をもつLipschitz(Holder)空間」になるという、極めて基本的な性質を得た。このことによって、これまで世界的に研究が進んでいる「変動指数をもつLebesgue空間」と同様に、「変動指数をもつHardy空間」、「変動指数をもつLipschitz(Holder)空間」についても、研究の基礎ができたことになる。また、より一般化してCampanato空間とそのpredualの空間との関係として定式化することもできた。 2.Morrey空間上でのRiesz potentialについて、Sobolevの埋め込み性質を証明した。これは、指数が1の場合のMorrey空間上でのRieszpotentialの性質を調べたものである。これまでの先行研究では指数が1より大きい場合の結果がほとんどであった。この研究により、指数が1の場合にも有効な手法を開発することができた。これにより「変動指数をもつMorrey空間」を研究する上で有力な手法が得られたことになる。 3.Orlicz-Morrey空間を定義して、その基本的性質を調べるとともに、Hardy-Littlewoodの最大作用素、特異積分作用素、分数べき積分作用素の有界性を得た。ここで定義したOrlicz-Morrey空間は、Lebesgue空間の一般化であるOrlicz空間とMorrey空間を統一的に扱えるようにしたものである。このOrlicz-Morrey空間上での各作用素の有界性は、Lebesgue空間、Orlicz空間、Morrey空間上でこれまでに得られていた結果をすべて含むものである。
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Research Products
(14 results)