2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレットによる時間周波数解析のブラインド信号源分離への応用
Project/Area Number |
20540168
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
守本 晃 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 助教 (50239688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
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Keywords | 信号源分離 / 画像分離 / ウェーブレット解析 / 時間周波数 / 解析信号 / 実解析 / 離散定常ウェーブレット変換 / 解析ウェーブレット変換 |
Research Abstract |
パーティ会場のようないろいろな音源が混じった環境でも,我々は会話ができる.つまり,特定の音源のみを識別することができる.この聴覚系の能力はカクテルパーティ効果と呼ばれ,心理学から工学にわたる広い分野で研究されている.工学的には,複数個の信号源から信号が出力されている状態で,異なる性質や設置位置を持つ複数個のセンサーで捉えた観測信号のみを使って,信号源の個数とそれぞれの信号源の出力を決定する逆問題(ブラインド信号源分離)に帰着できる. 本研究課題は,ウェーブレット解析による時間周波数情報を使ってブラインド信号源分離を行うための基礎理論の構築とその工学への応用に関する研究である.今年度は,複数の信号源を取り囲む形にセンサーを配置して,時間遅れの入った数理モデルを考えた.その中で,センサーのインパルスレスポンスがデルタ関数になる一番簡単な時空間的混合問題を研究した. 短時間フーリエ変換と違って,時間遅れ作用素と連続ウェーブレット変換は可換なので,時間遅れの入った数理モデルを簡単に時間周波数情報に書き換えられる.この性質を用いて観測信号の時間遅れの入った商の偏角と周波数のヒストグラムを描き,時間遅れ方向にアニメーションを作成することにより,信号源の個数と混合係数と時間遅れが推定できることを数値実験で確認した.この方法は,時間遅れがサンプリング間隔の整数倍でない場合も有効である.本研究では,解析ウェーブレット変換を用いたので,解析信号と連続ウェーブレット変換・短時間フーリエ変換の取り扱いについて理論的な考察を行った. 1次元の音声信号を2次元の画像信号に拡張し,画像分離の空間的混合問題を考察した.この画像分離問題に対してもウェーブレット解析を用いた方法が有効であることを数値実験で確認した. 一部の結果は,平成20年度に学会および雑誌で発表した.また,最新の結果は現在投稿中である.
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Research Products
(12 results)