2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレットによる時間周波数解析のブラインド信号源分離への応用
Project/Area Number |
20540168
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50239688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
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Keywords | カクテルパーティ効果 / ブラインド信号源分離 / 時間周波数解析 / ウェーブレット解析 / 時空間的混合問題 / 位相角ヒストグラム / 画像分離 / 時間遅れ |
Research Abstract |
パーティ会場のようないろいろな音源が混じった環境でも,我々は会話ができる.つまり,特定の音源のみを識別することができる.この聴覚系の能力はカクテルパーティ効果と呼ばれ,心理学から工学にわたる広い分野で研究されている.工学的には,複数個の信号源から信号が出力されている状態で,異なる性質や設置位置を持つ複数個のセンサーで捉えた観測信号のみを使って,信号源の個数とそれぞれの信号源の出力を決定する逆問題(ブラインド信号源分離)に帰着できる 本研究課題は,ウェーブレット解析による時間周波数情報を使ってブラインド信号源分離を行うための基礎理論の構築とその工学への応用に関する研究である 平成22年度は,21年度に研究した,複数の信号源を取り囲む形にセンサーを配置した時間遅れの入った数理モデルで,センサーのインパルスレスポンスがデルタ関数になる一番簡単な時空間的混合問題についての研究発表を行い,論文にまとめた.この研究では,フーリエ空間で負の周波数を無視して再構成する解析信号と連続ウェーブレット変換の相性が良いことを発見し,解析ウェーブレット変換のいろいろな性質を求めた また,1次元の音声信号を2次元の画像信号に拡張し,画像分離の空間的混合問題を考察した.解析ウェーブレット変換の多次元拡張であるモノジェニックウェーブレット変換の利用を提案しその性質を求めた.画像分離に対しては,提案手法が余り良くなかったので,現在はより広いフーリエ乗算演算子の中から,画像分離に適した演算子を考案中であり,幾つかの提案を発表した 平成22年度は,この課題の最終年度なので,学会発表に特に力を入れた
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Research Products
(26 results)