2008 Fiscal Year Annual Research Report
線形及び非線形シュレーディンガー方程式に対する散乱理論の研究
Project/Area Number |
20540169
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
足立 匡義 Kobe University, 理学研究科, 教授 (30281158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 秀夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (10322794)
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Keywords | 多体問題 / スペクトル理論 / 散乱理論 / 波動作用素 / 漸近完全性 / 電磁場 / 電荷輸送モデル / 時間大域的適切性 |
Research Abstract |
『時間周期的に変動する-様電場内での電荷輸送モデルに対する長距離散乱』 研究代表者である足立は標記の課題において、電場の時間平均が0でないという条件下で、対象となる軽粒子と、古典軌道に沿って運動する重粒子とで比電荷を比較し、その比電荷が異なる粒子同士の相互作用ポテンシャルが長距離型である場合に、修正波動作用素の存在とその漸近完全性に関する研究を行った。これまで短距離型の場合しか扱われていなかったのであるが、それは2体問題においてさえ、長距離型ポテンシャルに対する修正波動作用素の存在とその漸近完全性が証明されていなかったことが-因であった。最近になって研究代表者により、2体問題を含む一般の多体問題において上記の場合でも漸近完全性が成立することが示され(T. Adachi, Comm. Math. Phys.275(2007),443--477)、その結果を活用して解決した。しかし、現時点ではポテンシャルの十分な滑らかさを必要としており、ポテンシャルの特異性を扱えるような理論を構築することも、先行研究で残された重要な課題の一つであり、それは今年度中には間に合わなかった。そのことも含めて発表できるよう鋭意準備中である。 『非線形シュレーディンガー方程式に対する時間大域的適切性と散乱理論』 研究分担者である高岡は標記の課題において、空間3次元の場合にエネルギー臨界冪である5次の非線形項を持つものを考え、Colliander, Keel, Staffilani, Taoらと共に時間大域的適切性を示し、更にその時間大域解の漸近挙動を調べた。他に、空間2次元で3次の非線形項を持つものについても研究した。これらは既に学術論文に発表されている。
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Research Products
(4 results)