2010 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン面の接続と粘性流体の力学~等角的埋め込みと随伴するポアズイユ流の研究
Project/Area Number |
20540174
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 雅和 広島大学, 工学研究院, 名誉教授 (70025469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅明 広島大学, 工学研究院, 准教授 (10116535)
幡谷 泰史 山口大学, 理工学研究科, 助教 (20294621)
米谷 文男 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (10029340)
前川 博 電気通信大学, 情報理工学研究科, 教授 (90145459)
増本 誠 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50173761)
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Keywords | リーマン面 / ポアズイユ流 / 等角写像・等角的埋め込み / 粘性流体 |
Research Abstract |
本研究課題の全体的な構想と目的は,リーマン面の正則写像(とくに1対1の等角的な写像)の研究を複素解析的かつ流体力学的に行い,無限に長い円管内における粘性を持つ流体の定常的な流れ(いわゆるポアズイユ流)とリーマン面の接続との関係を,工学や物理学への応用も視野に入れつつ,解明することであった.第3年度である今年度の具体的な計画は,ポアズイユ流あるいはその基礎となるナヴィェ・ストークス方程式をより一般的な立場から解析するために運動方程式を詳しく調べることであったが,この点については部分的ながら進歩を見た.代表者は双曲空間における流体の運動の解析に必要な多くの物理数学的知見を得た.しかし本研究課題の最終的解決へと至るためにはなお多くの困難があることも事実である.もう1つの目標とした単葉型リーマン面の等角的埋め込みに伴って現れるポアズイユ的流れ場の研究は大きな方針が定まった段階にある.この方向への実際的研究は来年度の研究目標の1つとすることに決めた.本課題の初年度当初からの問題であった種数1のリーマン面の等角的埋め込みに伴うポアズイユ的流れ場の研究成果は,純粋にユークリッド的な問題に変換されその場合に新しい知見を与え得ることが新しく分かった.これは今年度の成果の1つである.ただしこの研究成果は口頭発表も未だ行っていない.以上に述べた成果のほかに,幡谷・伊藤とのセミナーにおける計算機とくに数式処理技術を駆使した発見的な議論を通じて幾つかの本質的進歩があり,増本や米谷との個別的な議論を通じてリーマン面の等角写像について来年度へと繋がる研究成果を得た.前川を中心とした流体の工学的研究も粘性流の実態を知る上で本質的な貢献であった
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Research Products
(17 results)