2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540181
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
北 直泰 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (70336056)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / シュレディンガー方程式 / 解の適切性 |
Research Abstract |
非線形シュレディンガー方程式の初期値問題において、初期データがδ関数の線形結合によって表されている状況で、時間局所解の存在と一意性が成り立つ関数空間の導入、および時間大域解の存在に関する結果を得ることができた。非線形項が分数ベキになるとBourgainらによって開発されたFourier ristriction normを用いた評価ができなくなるので、本研究で得られた結果はこの評価に頼らない新しいアイデアによって成し遂げられている。このアイデアでは残念ながら初期データとして一般的なものを付与することはできないが、それでもδ関数のように特異性の強いデータを扱えるという点では新しい評価方法を開発できた。大雑把に説明すると、シュレディンガー方程式の解が有する分散性による平滑化効果を利用して縮小写像の原理を適用することに集約されるが、非線形問題では非線形項の評価が重大な課題になる。ここは非線形項の評価を行う際にFourier級数展開を介して縮小写像の原理が閉じるようになる。注目すべきところは、初期データにδ関数が2個以上含まれる場合には、時刻が経過するととたんに解のモードが無限個現れる点である。これは線形シュレディンガー方程式では起こりえないことであり、非線形特有の事象であると言えよう。時間大域解については、初期データに含まれるδ関数が1個、2個のときには単純なエネルギー評価によってその存在を示すことができる。しかし、δ関数が3個以上になると事態は複雑になる。δ関数の台が同一直線上に無い場合には、単純なエネルギー評価により大域解の存在を示せるが、台が同一直線上にあって間隔が無理数比になるとエネルギーによっては局所解の爆発を抑えることができなる。したがって、大域解の存在証明が極端に難しくなる。この研究では、非線形項の係数に不自然な仮定を設定することでなんとか大域解の存在を示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)