2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540184
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
棚橋 浩太郎 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (90142398)
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Keywords | 作用素不等式 / p-hyponormal 作用素 / log-hyponormal 作用素 / クラスA作用素 |
Research Abstract |
ヒルベルト、またはバナッハ空間上の線形作用素を解析する場合に作用素不等式は重要な役割を果たす。構造がわかっている作用素の代表例は正規作用素であるが、これを不等式で置き換えたhyponormal作用素は多くの研究を生み出した。また、古田不等式から見いだされたp-hyponormal作用素、log-hyponormal作用素等の研究が最近では盛んである。本研究はこれらの不等式の発展を目指し、関連して得られる新しい作用素族、例えば、p-hyponormal, log-hyponormal,クラスA(s,t), (p,k)-quasihyponormal, F(p,r,q), absolute p-paranormal作用素等の基本的な性質、関係、例えば、スペクトル、ノルム、Putnam不等式、Fuglede-Putnam定理、Weylの定理等の性質を解明することが目的である。 論文[1]は内山敦、I.H. Jeon, I.H. Kimとの共同研究で、クラスA作用素、(p,k)-quasihyponormal作用素のquasinilpotent partの特徴付けを行った。特にquasiclass A作用素のクラスを拡張したquasiclass (A,k)についても同様の結果が成立することを示した。この結果は今まで知られている結果を全て含む結果である。 論文[2]は内山敦、I.H. Jeon, I.H. Kimとの共同研究で、I.H. Kimが定義したquasiclass A作用素がself-adjointになる条件を示した。 論文[3]は長宗雄、古谷正との共同研究で、あるクラスの作用素のXiaスペクトラムを計算した。Xiaスペクトラムの重要性はhyponormal作用素の研究で知られているがこれはその拡張版である。
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