2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540184
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
棚橋 浩太郎 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90142398)
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Keywords | paranormal / k*-paranormal / m-isometry / SVEP / Bishop's property |
Research Abstract |
ヒルベルト、またはバナッハ空間上の線形作用素を解析する場合に作用素不等式は重要な役割を果たす。構造がわかっている作用素の代表例は正規作用素であるが、これを不等式で置き換えたhyponormal作用素は多くの研究を生み出した。また、古田不等式から見いだされたp-hyponormal作用素、log-hyponormal作用素等の研究が最近では盛んである。本研究はこれらの不等式の発展を目指し、関連して得られる新しい作用素族、例えば、p-hyponormal,log-hyponormal,クラスA(s,t),(p,k)-quasihyponormal,F(p,r,q),paranormal,*-paranormal,absolute p-paranormal作用素等の基本的な性質、関係、例えば、スペクトル、ノルム、Putnam不等式、Fuglede-Putnam定理、Weylの定理等の性質を解明することが目的である。 今年度は、仙台で行われる作用素論、作用素環論セミナーに長教授、和田教授らを講演に招き、内外の研究者と議論を深めた。また、山形大学内山准教授、神奈川大学長教授らと共同研究を行い、後に記載されている論文を書き、北海道大学で行われた関数空間セミナー、京都大学で行われた「スペクトル、数域などの作用素の幾何学的特性量を用いた作用素の構造研究」研究集会でそれらの発表を行った。長教授との共同研究はm-isometryの性質を明らかにしたものであり、特に近似点スペクトルについてPatelの証明より易しい証明を得た。この研究はこの後可逆m-isometry作用素の特徴付けに発展している。また、内山准教授との共同研究はparanormal,normaloid作用素のSVEPに関する性質を論じたものである。hereditralily normaloid作用素がSVEPをもつかという未解決問題の糸口になるのではないかと期待している。
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