2009 Fiscal Year Annual Research Report
非可換調和解析における特異積分作用素論一実ハーディ空間の有効性の検証
Project/Area Number |
20540188
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河添 健 Keio University, 総合政策学部, 教授 (90152959)
|
Keywords | 実ハーディ空間 / アトム分解 / アーベル変換 / 特異積分作用素 / フーリエ・マルティプライヤー / トリーベル・リゾルキン空間 |
Research Abstract |
ヤコビ解析における実ハーディ空間H^1(Δ)の有効性の検証が本研究の目的である。特に特異積分作用素の有界性を示すためにH^1(Δ)を活用したい。本年度は第一にH^1(Δ)のアトム分解による特徴付けを行い、次にそれを用いた(H^1,L^2)補間定理を確立した。それらの結果の応用として、ヤコビ変換におけるフーリエ・マルティプライヤーのL^p(Δ)有界性に関する定理を自然な形で得ることができた。 H^1(Δ)のアトム分解に関しては部分的な成果はすでに得ていたが、今回アーベル変換を用いて、H^1(Δ)を一次元ユークリッド空間R上のトリーベル・リゾルキン空間の言葉で書き直すことにより、完全な特徴付けを得ることが出来た。結果として3種類のアトムを用いてH^1(Δ)を分解した。その中でスムース・アトムが今回新たに用いたアトムである。この新しいアトムによりH^1(Δ)のアトム分解が完成した。このアトム分解とユークリッド空間のときの補間の議論を用いて、(H^1,L^2)補間定理をヤコビ解析においても構成することができた。この過程で補間空間が通常のL^p(Δ)となるところがポイントで、結果としてユークリッド空間のときと同様の形で定理が得られた。このことはL^p(Δ)のアーベル変換もトリーベル・リゾルキン空間の言葉で書けることを意味るる。 ヤコビ変換におけるフーリエ・マルティプライヤーに関してもいくつかの結果は知られているが、今回の方法は、トリーベル・リゾルキン空間上のフーリエ・マルティプライヤーの理論をヤコビ変換に書き直す方法であり、自然で簡易な方法である。今後、他の特異積分作用素の有界性の研究にも応用できる方法と期待している。
|
Research Products
(4 results)