2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540194
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 英徳 Kinki University, 産業理工学部, 教授 (50108643)
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Keywords | 軌道の方法 / ユニタリ表現 / 冪零リー群 / 指数型可解リー群 / 繋絡作用素 / 余随伴表現 / フロベニウスの相互律 / 不変微分作用素 |
Research Abstract |
リー群のユニタリ表現論において基本的な手法の一つである「軌道の方法」に基づき、フランス・メッス大学のJean LUDWIG教授およびチュニジア・スファックス大学のAli BAKLOUTI教授と、指数型可解リー群のユニタリ表現に関連する共同研究を続行した。以前3人で専門誌に投稿した繋絡作用素に現れる積分の収束性の証明にギャップが見つかり、その修正に全力を傾注しているが、いまだ成功していない。5月にはスファックス大学における准教授資格審査員の依頼を受けたため、その機会を利用して当地においてBAKLOUTI教授とこの問題の共同研究を行った。また、10月にはパリ第7大学のDuflo名誉教授を飯塚の産業理工学部に短期招聘し、この問題解決のため代数群の利用が可能ではないかとのアドヴァイスを受けた。また来月はメッス大学に滞在してLUDWIG教授と問題解決に努める予定である。その他、指数型可解リー群の単項表現がその既約分解において離散型の重複度をもつ場合を詳しく調べ、Vergne polarizationから構成された既約ユニタリ表現との間のPenney超関数に現れる積分の収束性を証明した。更に、この結果を用いて問題の単項表現に対するPenney型のプランシュレル公式を具体的に記述し、随伴する不変微分作用素環が可換であることを示し、Dufloの問題に肯定的に答える、以上のことがほぼできたのではないかと思っている。いずれにしても来月メッス大学においてこれらの問題をLUDWIG教授と討議する予定である。 これまで科学研究費補助金を受けながら継続してきた可解リー群のユニタリ表現と調和解析に対する軌道の方法についての研究をまず和書の形で出版し、更に内容を増補して英語版で出版する計画である。最初の日本語の原稿は300ページ程を既に書き上げて編集者に渡してある。また、その英訳も準備済みであり、英語版の方はLUDWIG、BAKLOUTIその他数名と共著の予定である。
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