2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540197
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
梶木屋 龍治 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (10183261)
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Keywords | 優線形楕円型偏微分方程式 / p-ラプラシアン / 固有値問題 / 特異楕円形偏微分方程式 / 正値解 / 解の正則性 |
Research Abstract |
1.係数関数が境界に特異性を持つような1次元p-ラプラシアンを考察し,ディリクレ境界条件の下でのスペクトルを調べ,離散固有値が存在する事を証明した.また各固有空間は1次元であり,固有関数が1回連続微分可能であることを証明した.さらに,別の条件を満たす係数関数について,固有値が連続的に分布することを証明した.この結果は,特異性を持つ1次元p-ラプラス方程式の固有値問題について,従来知られていた結果を改良したものとなっている.また今まで扱われていたものより特異性の強い方程式にまで応用できる 2.係数関数が符号変化して,境界で発散するときのディリクレ境界条件の下での優線形楕円型偏微分方程式の滑らかな解の存在を証明した.正値解が少なくとも一つ存在する事,及び正値と限らない解が無限に多く存在する事を証明した.さらに係数関数の滑らかさに応じて,符号変化する解の1回連続微分可能性解と2回連続微分可能性を証明し,正値解の無限回微分可能性を証明した.証明は,変分法を用いて行われる.境界での解の特異性を処理するために新しいハーディー・ソボレフ型の不等式を導入している.1次元のハーディーの不等式を利用して,覧界近傍での解のハーディー型不等式を構成し,これとソボレフの不等式を補間して,境界近傍での解の正則性を証明している.さらにこの不等式と峠の補題を用いて正値解の存在を証明している.またリュステルニク・シュニーレルマンの定理を用いて無限に多くの解の存在を証明している.従来の研究では,領域が球であり,係数関数が球対称な関数の場合のみが扱われていた.しかし今回の研究結果は,一般の領域を扱い,任意の特異係数関数を研究対象としていて.さらに正値解の無限向微分可能性までも証明している
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Research Products
(3 results)