2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540198
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
内山 敦 Yamagata University, 理学部, 准教授 (00353227)
|
Keywords | 作用素不等式 / 正規作用素 / (p, k)-quasihyponormal / quasi-class (A, k) / Riesz idempoten / Weyl' s theorem |
Research Abstract |
私の研究目的は、作用素不等式およびノルム不等式で定義された正規作用素の一般化であるような非正規作用素族の特徴付けで、種々の非正規作用素族が正規作用素のどのような性質を受け継ぎ、どのような性質を失っているのかを主にスペクトルの性質から調べている。今年度は、(p, k)-quasihypomormal作用素について、そのスペクトラムとワイルスペクトラムの差集合が重複度有限の孤立固有値全体の集合に等しいこと(ワイル型定理)の証明、互いの包含関係が(有無も込めて)明らかでなかった作用素族p-quasihyponormal、class A、class A(s, t)の間に{p-quasihyponormal}⊂{ClassA(s, t)}⊂{Class A}という包含関係が成立すること、(p, k)-quasihypollormalやclass A作用素は0以外の数に対応するquasinilpotemt partは固有空間であること, 特にスペクトラムの孤立点に対応するquasimilpotent Partはその点に対応するリース射影の像と一致すること、quasi-class(A, k)作用素のスペクトラムの0以外の孤立点は常に固有値であり、対応するリース射影は固有空間への直交射影(自己共役)になることなどを得た。これらの性質は、いずれも正規作用素の重要な性質であり、これらの性質を持つには、作用素とその共役作用素の絶対値の間にある種の大小関係(不等式)が成立することが必要と長年がえられていたが、もっと弱い性質(作用素とその幕の絶対値の大小関係(共役作用素は無関係))からこれらの性質が導けることが示せたのが非常に重要であり、かつ意義がある。
|