2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540198
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
内山 敦 山形大学, 理学部, 准教授 (00353227)
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Keywords | 非正規作用素 / SVEP / normaloid / ワイルの定理 / フグレデ・パットナムの定理 / クラスA作用素 |
Research Abstract |
今年度はヒルベルト空間上のパラノーマル作用素に関するフグレデ・パットナムの定理について研究を行った。またnormaloidの部分族である種々の作用族についてそれらに属す作用素がsingle valued extension propertyを持つかどうかの研究も行った。正規作用素の重要な性質の一つであるフグレデ・パットナムの定理はパラノーマル作用素では一般に成り立たない(核空間がreducing subspaceとは限らないので)、ではパラノーマル作用素の部分族ではどうであるかということに興味を持ち研究してきた。今年度は新たにクラスA作用素の場合まで拡張することができた。またnormaloidの部分族に関するsingle valued extension propertyの研究ではtotally hereditarily normaloidという比較的強い仮定の下にsingle valued extension propertyを持つことが知られていたが、今年度の研究によりこの条件をはるかに弱いhereditarily normaloidとしても成立することを,hereditarily normaloidの相異なる固有値に属す固有空間がバーコフ・ジェームズの意味で直交することを示すことで示せた。また、正規作用素のスペクトラムに関する重要な性質であるワイルの定理について、normaloidでは一般に成立しないがtotally hereditarily normaloidでは成立することが知られていたが、その間にあるhereditarily normaloidについては成立するかどうか知られていないことに着目しこの問題に取り組み、totally hereditarily normaloidについては一般に成立しないことを反例を構成することで示せた。
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