2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540202
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 保 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90301077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 邦彦 筑波大学, 名誉教授 (00026262)
石渡 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (70375393)
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Keywords | 関数方程式論 / 双曲型システム / ライフスパン |
Research Abstract |
双曲型システムに対して、非線形問題へ応用を目指して、まずは線形問題だけに重点をおき、解の表現定理を導く研究を行ってきた。特に、2階の単独の双曲型方程式に対して、係数の形や挙動に応じて以下の(1)、(2)のような研究成果を得ることができた。 (1)M.Reissig氏と、昨年末から今年度の初めにかけて係数が激しく振動するような2×2サイズの狭義双曲型システムの初期値問題の適切性を示すことに成功したが、有限伝播性に関する証明法の改良なども行い、論文を発表した。同様の手法を用いて一般のサイズのシステムの考察を行ったが、多大な困難が生じることが判明した。どのように一般のサイズのシステムの場合を扱うべきかについては今後の課題であると思われる。 (2)K.Yagdjian氏,A.Galstian氏らと昨年度、係数が物理学と深く関連のある特異性もつ場合の狭義双曲型方程式の解の具体的な表示式を得るのに成功した。今年度は数学的な見地から、より一般的な特異性をもつ場合について研究打ち合せを行った。いくつかの興味深い部分的な結果を得られているが、まだ途中段階であり公表には時間を要すると考えている。また、今後さらなる解の表示式が得られたならば、直接的に減衰評価式等も導出できるため非線形問題への応用にも十分役立つと考えている。 ライフスパンの研究において、解の表示を行なうことは非常に意義がある。たとえ具体的な表示が無理でも、数値解析的に解が求まるような方法を見いだしたいと考えている。今年度になって数値解析の研究も始め、数値シュミレーション上における解の挙動を表現するために、スプライン関数の研究や基底関数の取り方などについて福田氏と議論を行った。今後は応用数理に関するの研究も行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)