2010 Fiscal Year Annual Research Report
シュレーディンガー作用素のスペクトル解析に基づく超格子構造の解析
Project/Area Number |
20540204
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小栗栖 修 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (80301191)
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Keywords | シュレーディンガー作用素 / スペクトル解析 / 超格子 / δポテンシャル / 負の固有値 / 離散ラプラシアン |
Research Abstract |
超格子構造とは、江崎玲於奈の提唱による異種半導体の薄膜を積層させて製造される人造の構造物で、量子効果を用いた半導体デバイスの一種である。特定のエネルギーを透過または遮断する特性を持つ量子デバイスであり、透過域には真の透過域と準透過域が生じることが知られているが、その生成の原因は不明で、その制御は難しい問題になっている。 本研究はこの超格子構造を数学的対象ととらえて、その特性を数学的に解析することにある。この問題は、数学的には一次元のシュレーディンガー方程式の逆散乱問題のひとつである。本年度の研究では次のような成果が得られた。 まず、研究協力者である浅倉邦彦らと、デルタクライム型のポテンシャルによる変調超格子構造による透過特性のシュミレーションを行い、従来のデルタ型ポテンシャルと対称的な特性を持つことを確認できた。この一種の双対性は未知の知見であり、これらの関係を明瞭にすることは重要な課題である。 また、純数学的な課題として、一般次元における点相互作用による離散固有値の個数についての新しい公式を導出でき、その論文が掲載された。また一次元の場合を離散ラプラシアンに適用した結果の論文の掲載が決まった。さらに愛媛大学の野村裕司氏の協力も得て、共鳴状態の導出に成功した。
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Research Products
(3 results)