2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540212
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂元 国望 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (40243547)
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Keywords | 反応拡散方程式系 / Riemann計量と非一様拡散 / Fokker-Planck方程式 / 非一様場 / 特異極限 |
Research Abstract |
Riemann多用体上の拡散方程式を同じ多様体上の別の計量に関する非一様拡散方程式として表されるための必要十分条件は、これら二つの計量テンソルのdeterminantの比が多様体上で定数であることを見出した。この条件が満たされない場合、元の拡散方程式は新たなRiemann計量下での拡散方程式に移流効果が加わったものとなる。このことから、一つの多様体上の計量テンソル全体の成す空間において、計量テンソルのdeterminantの比が基礎多様体上で定数であるという同値関係を導入し、この同値関係によって計量テンソル空間がどの様に分割されるかという新たな問題が見出された。これに関連して、計量テンソルからRicciテンソルを生み出す過程を反復する操作を続けて行って、その極限(極限の存在に関する初期計量テンソルに関する条件を見つけることも大きな問題)がどの様な情報を含むのか、という問題も認識された。これはRicciフローの離散版とも考えられ、さらなる研究を推し進めていくべき興味深い対象だと思える。 最も単純な閉多様体である円周上の非線形Fokker-Planck方程式の定常解の構造を、非対称な非線形効果の下で考察した。従来の研究は対称な非線形効果に限定したものが大半であったが、非対称非線形効果により自明定常解からの分岐が必ずHopf分岐になることを見出した。同時に、非対称性の効果として、分岐構造がより起こりやすいことも示された。また、特殊な対称性をもつ非線形効果の場合、ノイズなしの極限において、定常解が大域的に特異極限収束することを証明した。しかしながら、非対称な非線形効果の場合には、特異極阪収束は起こりえないであろうことを示唆する結果も得た。
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Research Products
(2 results)