2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540213
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 好道 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (00314724)
|
Keywords | 自由確率論 / 確率過程 / 非可換 / ハーディー空間 / 測度付擬群 / フォンノイマン環 / C*-環 |
Research Abstract |
本研究課題初年度の今年はまず非可換の射影に値を取る2次元の自由確率論的確率過程の解析に専念した.以前の研究で特別な場合にはほぼ満足しうる解答を得ていたのでそれを一般化する試みである.今年度内に問題攻略にはいたらなかった.また,その解析に必要な確率解析の一般論の整備を試みた. 次に昨年度より継続している非可換ハーディー空間の研究を継続した,具体的にはより一般の状況で前共役空間の一意性を証明することである.これに関しては半有限トレイスを持っ場合まで拡張し,特別な場合としてこれまでに知られるすべての結果をカバーするに至った.更に関連した性質を調べた。これは後一歩で一段落しそうな状況にある.次の本質的な問題としてはバナッハ空間としての性質cotypeに関するものであるが,その本格的研究の下調べ的研究も行った. 更に,測度付離散擬群の組織的研究に着手した.具体的にはその基本構造の記述に関することおよび関連するフオンノイマン環の性質である,既にいくつかの成果は挙っているが更に研究を深めてから何らかの方法で発表しようと考えている.関連してC*-環の問題に出くわした.それに関しては現在鋭意研究中である. 1つ上の試みにも関連するが,ここ数年目覚ましく発展しているPopaを中心とする発展を整理し始めた.自由確率論の立場からは自由群因子環の同型(非同型)問題はほとんど進展が見られなくなってしまっているが,ここらあたりで,他の進展も踏まえた新たなスタンス作りも兼ねてのことである.
|