2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540215
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松本 健吾 Yokohama City University, 国際総合科学部, 准教授 (40241864)
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Keywords | 作用素環 / 記号力学系 |
Research Abstract |
本年度は本研究計画の初年度に当り.記号力学系の分類を作用素環の理論を用いて研究した.記号力学系の軌道同型に関しての分類は,本研究計画の大きな柱の1つであり,まづこれに着手した.位相的マルコフシフトや一般の記号力学系や,さらには記号学系の表現であるC^*-記号力学系の軌道同型による分類を対応する作用素環とそのカルタン部分環の同型類で完全に分類できることを示し,その結果をライデン大学(オランダ)で開催された作用素環論と力学系の国際会議で研究発表した。 この結果は,この国際会議の講義録として出版されるように現在作成中である。また,W.Krieger教授(ドイツ,ハイデルベル大学応用数学研究所)との共同研究も継続中であり,one-counterコードと呼ばれるチューリング機械から構成される記号力学系を対応するC^*-環の構造により研究した。その結果自身とそのtransposeがflow eguivalentにならない記号力学系の例を発見し,3月に行なわれた日本数学会で発表した.また位相的マルコフシフトからできるCuntz-krieger環の生成元の組み合わせ論的性とその生成元達からできる記号力学系のゼータ関数についても研究を開始し,具体的なゼータ関数の計算が可能なことが明らかになった。この結果は,京都大学の作用素環の研究集会で発表し,講究録にも発表した。
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