2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨界型変分問題の爆発解析および爆発に起因する解の定性的性質の研究
Project/Area Number |
20540216
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 太 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (10374901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 昌治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90228156)
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10243354)
佐藤 友彦 学習院大学, 計算機センター, 助教 (50397676)
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Keywords | 爆発解 / 臨界型方程式 / 漸近的非退化性 / 非線形楕円型境界値問題 / Robin関数 |
Research Abstract |
本年度、研究代表者高橋は、臨界Sobolev型方程式にあらわれる爆発解のうち、特に変分法的には最も自然と考えられる最小エネルギー解について、その爆発に起因する解の定性的性質の研究に取り組んだ。具体的には、爆発点の位置決めを行う有限次元領域上のある関数(これは領域のRobin関数と係数関数によって定義される)の臨界点としての爆発点の非退性と、その爆発点を孤立爆発点に持つ最小エネルギー解の非退化性との関係、さらには爆発点のMorse指数と爆発解の(エネルギー汎関数の臨界点としての)Morse指数との関係について調べ、成果を得た。技術的な煩雑さは増すものの、同様の事実は重調和型方程式の1点爆発解についても成り立つと考えられ、最小エネルギー解に関しては、研究分担者佐藤とともにその漸近的非退化性を2階の方程式の場合と同様に確立することができた。現在、線形化方程式の固有値・固有関数の漸近挙動についても、方程式に自然な不変性から生ずる、低い番号の固有値・固有関数については、2階の場合の先行研究(Gross-Pacella, Math. Z(2005))と同様な結果が成り立つであろうことを、佐藤とともに検証中である。 これらの研究を遂行するために、高橋はかねてより計画していた通り、ローマ大学のM. Grossi教授を平成21年6月に開催された京都大学数理解析研究所研究集会「変分問題とその周辺」に招聘し、招待講演を実現し、また研究課題について氏と緊密な打ち合わせの機会を持った。この際の氏との共同研究は大変実り多く、一つの成果として、爆発現象を伴う多くの非線形楕円型境界値問題に対して、凸領域上では多重爆発解が存在しないことについての簡潔な証明を得ることができた。この結果は既に研究論文Nonexistence of multi-bubble solutions on convex domainsとしてまとめられ、現在印刷中である。
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Research Products
(13 results)