2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540220
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大坂 博幸 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (00244286)
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Keywords | 作用素環論 / C*-環論 / ロホリン性 / C*-指数理論 |
Research Abstract |
単純C*-環の分類問題に関するElliott分類問題を接合積に拡張する際に、岸本氏、泉氏に導入されたロホリン性を持つ作用が重要な役割を果たす。このロホリン性を中心に平成20年度は研究を実施した。 Lin氏との共同研究において、AT環上のK-データからトレース的ロホリン性を持つ自己同型写像の構成をおこなった。これにより、AT環上の自己同型写像のクラスにおいてトレース的ロホリン性を持つ自己同型写像のクラスが小さくないことを示せた。 また、射影作用素に関するcancellation性の遺伝性についてC*-指数有限のC*-環のペアについてJeong,大坂、照屋、Phillipsの4人で明らかに出来た。これは、1996年のJeong-大坂の共同研究から始まり10年の月日がかかった大作である。Cancellation性を持つことは,C*-環の分類問題の際用いるK_O-群の計算において役に立つ情報である。 C*-接合積の場合を含むC*-指数有限の範囲でのC*-ペア環間に作用する条件付き期待値に対してロホリン性を定義し、Elliott分類において重要C*-環のクラスの遺伝性について、小高、照屋、大坂の研究としてまとめることが出来た。これは、分類可能な単純C*-環と有限群から構成される接合積の代数構造決定をした大坂-Phillips氏との共同研究の一般化であり、C*-指数理論有限なC*-環のペアにおける分類問題において重要な結果である。 C*-環分類問題において重要な役割をする安定階数の新しい計算式を構成した。これで、安定階数1をもつ単純C*-環からの接合積などによる新しいC*-環の安定階数が計算できる。
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Research Products
(8 results)