2010 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙の第一世代星の初期質量関数を金属欠乏星の特異な元素組成から探る
Project/Area Number |
20540226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90110676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 知治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20280935)
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Keywords | 超新星 / 宇宙化学進化 / 元素合成 / 宇宙初代星 / 大質量星 / 恒星の進化 / 金属欠乏星 / 質量関数 |
Research Abstract |
本研究は、第一世代の星の質量関数あるいは典型的な質量を、銀河のハロー星や銀河間ガス、銀河団ガスなどの宇宙の進化の初期に形成された天体の化学組成を説明する試みによって、精度よく推定することを目的とした。' 1)そのために、重元素がゼロのガスから生まれる第一世代星の準静的進化を、重力崩壊直前まで計算し、爆発直前の星のモデルを構築した。特に第一世代の大質量星では、シリコンや酸素のコアの振動が顕著であり、その時間尺度や振幅を計算によって求めた。この振動は星の外層からの質量放出の原因となり得るが、詳細は引き続き計算が必要である。この星の振動が観測されている超新星の極端な明るさなどの性質を説明し得るとすると、質量関数は100Msunほどにまで延びていることにな。 2)それとは逆に、Caの顕著な星の質量の推定も行った。酸素が相対的に少ないことから、10Msun程度の重力崩壊する星の下限に近い星のであるという結論を得た。 3)また、極端に暗い超新星が観測され、その解析の結果と理論モデルとの比較の結果、このような星はFallbackを起こして鉄の放出量が極端に減っていること、その質量範囲は、13Msun程度にまで下がってくることが可能、という結論を得た。 4)今後、このような観測データが遠方の超新星に対しても得られるようになると、宇宙初期の星の質量関数を求めることも可能になってくるという展望が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A massive star origin for an unusual helium-rich supernova in an elliptical galaxy2010
Author(s)
Kawabata, K. S., Maeda, K., Nomoto, K., Taubenberger, S., Tanaka, M., Deng, J., Pian, E., Hattori, T., and Itagaki, K.
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Journal Title
Nature
Volume: 465
Pages: 326-328
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