2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540227
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蜂巣 泉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90135533)
|
Keywords | 超新星 / 連星系 / 白色矮星 / 恒星風 / チャンドラセカール限界質量 / 回転 / 光度 / 進化経路 |
Research Abstract |
本研究の目的は、最新の観測結果をできるだけ統一的に説明する、新しいIa型超新星の進化経路を構築し、超新星の起源を理論面から解明することである。 Ia型超新星は、唯一、遠方まで達する標準光源として宇宙膨張則の決定に使われているだけでなく、銀河の化学進化においても重要な役割を果たしている。しかし、どのような星がIa型超新星として爆発するのかに関しては、現在のところ決定的な結論が出ていない。昨年度に引き続き、今年度は以下のような研究が完成した。 (1)質量降着白色矮星から吹く新星風によって、伴星表面からガスが剥ぎ取られる効果を新たに連星進化に適用し、伴星から白色矮星への質量移動率が大きく抑制される効果を連星進化の計算に取り入れることにより、今まで考えられてきたものより重い(5-6太陽質量の)伴星が安定に質量移動を行えることを示した。 (2)これを実際の連星系に適用し、連星系の進化を追いかけた結果、Ia型超新星の星周物質問題、および1億年ほどの若い年齢のIa型超新星の存在などを統一的に説明した。 (3)質量が剥ぎ取られる方の伴星を、東北大学の斎尾英之氏の恒星進化のコードを使い、より正確な質量移動率を計算できるようにし、今までのIa型超新星の進化経路を再計算した。 (4)最近、チャンドラセカール限界質量を超えて、爆発するIa型超新星が発見されたことを受け、新しく計算コードを改良し、1.4倍太陽質量を超えても、白色矮星が回転のため、成長できるとして計算を行い、最大で、2.7倍太陽質量までの白色矮星が形成されることを示し、チャンドラセカール限界質量を超える明るさをもったIa方超新星を説明できた。
|
Research Products
(6 results)