2010 Fiscal Year Annual Research Report
新世代硬X線全天サーベイによる埋もれた活動銀河の構造と進化の研究
Project/Area Number |
20540230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 佳宏 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10290876)
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Keywords | 活動銀河核 / ブラックホール / X線 |
Research Abstract |
Swift BATサーベイの「すざく」衛星によるX線追求観測をすすめ、その結果を2本の論文として出版した(Tazaki et al. 2010 ; Eguchi et al. 2011)。最初の論文では、硬X線バンドで全天で最も明るい広輝線電波銀河4C 50.55の同時広域スペクトルを初めて取得し、その解析結果から、降着円盤がブラックホールの最内縁安定軌道まで延びていないこと、中心部が低温でコンプトン散乱に対して光学的に厚いガスに覆われている証拠を得た。2本目の論文は、大きな吸収を受けた2つの2型活動銀河核の広域スペクトルに、モンテカルロシミュレーションによる数値スペクトルモデルを当てはめてたもので、トーラス構造について強い制限を得ることに成功している。また、全天X線監視装置(MAXI)の観測を順調に行ない、イメージフィットによる画像解析手法を確立するとともに、非X線バックグラウンドの性質を系統的に調査した。MAXIの初期成果として、ブラックホール候補天体XTE J1752-223 (Nakahira et al. 2010)、ブレーザー天体Mrk421 (Isobe et al. 2010)の観測結果存論文として出版した。,高質量降着率下でのブラックホール降着流の物理を解明するため「すざく」によるブラックホール連星GRS 1915+105の観測結果を論文として出版し(Ueda et al. 2010)、アルゼンチンにて行なわれた国際会議(IAUシンポジウム275)にて招待講演を行なった。また、すばる-XMMニュートンディープサーベイ(SXDS)では活動銀河核現象の環境効果を調べる第一歩の研究としてX線データを用いた遠方銀河団の探査を行ない、2本の論文を発表した(Finoguenov et al. 2010 ; Tanaka et al. 2010)。
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Research Products
(8 results)