2008 Fiscal Year Annual Research Report
ベガ型星の観測により検証可能な微惑星形成理論の構築
Project/Area Number |
20540232
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 拓 Hokkaido University, 低温科学研究所, 特任准教授 (40372651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 義次 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30172282)
相川 祐理 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40324909)
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Keywords | 惑星形成 / 太陽系外惑星 / ベガ型星 / 原始惑星系円盤 / ダスト |
Research Abstract |
ダストの衝突合体による微惑星形成過程のうち、ダストが原始惑星系円盤の赤道面に向かって沈殿しながら、合体成長していく過程について研究を行った。ダストのサイズ分布と鉛直方向の密度分布の進化を、鉛直方向の移流を考慮し(空間1次元)、衝突合体方程式を解いた。原始惑星系円盤のガスは、弱い乱流があると仮定し、衝突による破壊は起こらないとの仮定をとった。その結果、円盤赤道面に形成されるダスト層の構造と形成時期を明らかにした。ダスト層の構造と形成時期は、着目するダストの大きさに依存し、上空のダストが枯渇し、赤道面に沈殿するまでに着目したサイズまで成長できなくなった段階で、そのサイズのダスト層の構造が、定常状態に落ち着くことがわかった。また、定常状態では、赤道面への沈殿と乱流による拡散が釣り合った状態になり、Takeuchi \ & Lin (2002, ApJ, 581, 1344)で求めた、解析解とよく一致することを示した。さらに、1cm程度より大きいダストについては、その鉛直方向の構造は常に沈殿と拡散が釣り合った状態であり、1cmより大きなダストについては、鉛直方向の構造を数値的に解く必要がないことを示した。これらの結果を用い、ダストの中心星への落下時間と成長時間を比較した。ダストの落下が最も速い、危険なサイズ(^~1m)を乗り越えるためには、乱流が十分弱いか、もしくはダスト-ガス比がcosmic abundanceの10倍程度必要であることがわかった。本年度の結果により、ダストが完全合体し、ダスト内部密度の変化がなく、また衝突破壊も起こらないときの、ダスト沈殿中の成長については結果が得られたので、次年度以降は、ダストの破壊などの効果を導入する。
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Research Products
(13 results)