2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベガ型星の観測により検証可能な微惑星形成理論の構築
Project/Area Number |
20540232
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 拓 Hokkaido University, 低温科学研究所, 特任准教授 (40372651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 義次 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30172282)
相川 祐理 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40324909)
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (00282814)
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Keywords | 惑星形成 / 太陽系外惑星 / ベガ型星 / 原始惑星系円盤 / ダスト |
Research Abstract |
本年度は、ダストの衝突合体による微惑星形成過程の研究を継続して行った。ダストが原始惑星系円盤の赤道面に向かって沈殿しながら、合体成長していく過程について、ダストの衝突破壊の効果を考慮した研究を行った。ダストのサイズ分布と鉛直方向の密度分布の進化を、鉛直方向の移流を考慮し(空間1次元)、衝突合体方程式を解いた。その結果、ダストが成長し、cmくらいの大きさになると、ダストの衝突速度が大きくなり、破壊が始まる。いったん破壊が始まると、ダストのそれ以上の成長は阻害されることが分かった。また、衝突破壊を起こすダストは、cm程度の大きさをもっているため、原始惑星系円盤の赤道面に集中している。これらのダストが衝突破壊し、μmサイズの細かいダストを撒き散らす。そのため、μmサイズのダストも赤道面に集中した構造をとる。もし、ダストの破壊が顕著でない場合は、μmサイズのダストは乱流による拡散のため、円盤の上空まで巻き上げられ、鉛直方向に一様に分布する。μmサイズのダストの分布の違いをみることによって、ダスト破壊が効率よく起きているかどうかを観測的に検証できることを示した。また、ダストの破壊モデルによって、最終的なダストサイズ分布がどのように依存するかを調べた。その結果、カタストロフィック破壊が始まるエネルギーには、ほとんどよらないが、破片の最大サイズ、破片分布のべきを変えると、ダストサイズ分布は変わることが分かった。したがって、ダストサイズ分布を観測的に調べることにより、ダスト破壊モデルについて、制限が加えられることを示した。
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