2008 Fiscal Year Annual Research Report
日韓共同電波干渉計観測による若い電波銀河の活動性と進化の研究
Project/Area Number |
20540233
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
輪島 清昭 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 助教 (90452630)
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Keywords | 電波天文学 / 宇宙物理 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究では若い電波銀河の高周波での電波放射を高分解能で観測し、電波源の各位置におけるシンクロトロン放射電子のエネルギー分布を調査することにより若い電波銀河の活動性と進化の一端を明らかにすることを目的としている。若い電波銀河はコンパクトな構造を持っとともに比較的弱い電波放射を伴うため、広帯域のデータ取得が可能なシステムを用いた高感度での超長基線干渉計(VLBI)観測の実現が必須である。 2008年度は上記の目的を達成するための基礎研究として、ハードディスクを用いた新型の観測データ高速大容量記録システムの性能評価およびそれを用いた広帯域観測を行った。同システムを用いた8GHzでのVLBI試験観測を山口32m電波望遠鏡と情報通信研究機構鹿島宇宙技術センター34m電波望遠鏡との間で行い、毎秒1ギガビットおよび2ギガビット(観測帯域512MHz)の双方の記録モードにおいて相互相関フリンジを検出し観測に成功した。観測天体の電波強度から理論的に予想される信号雑音比でフリンジを検出しており、日本国内で同システムを用いて初めてVLBI観測を成功に導いた。この成果により、2010年からの部分運用開始を目指している東アジアVLBI観測網における広帯域観測実現の可能性を実証した。 上記の研究を遂行するための基礎研究として日本国内VLBI観測網を用いて活動銀河の4天体の観測を実施した。また、既に観測を実施した若い電波銀河の多周波VLBI観測データの解析を行い、各周波数間で電波銀河のダブルローブ成分が非対称な構造を持つという新たな特徴を見出した。
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Research Products
(8 results)