2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540238
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (60308004)
|
Keywords | 星形成 / 星間磁場 / 適合格子細分化法 / 星間乱流 / 分子雲コア / 磁気流体力学 / 自己重力 / 原始星 |
Research Abstract |
1.磁気乱流を持った分子雲コアの自己重力 恒星の母体となる分子雲コアは、磁場を持つことが観測によって示唆されている。磁場のエネルギーは重力エネルギーと同程度なので、磁場は分子雲コアの重力収縮に影響を与えると考えられる。また、分子雲コアは乱流状態にあると考えられている。乱流は形成される原始星の自転、原始惑星系円盤の回転の起源であると示唆されてきた。しかし、これまで磁場と乱流の両方を考慮した分子雲コアの重力収縮とそれにともなう星形成のシミュレーション研究はほとんど行われていなかった。そこで、磁気乱流状態にある分子雲コアが重力収縮する過程を、適合格子細分化法を用いた高解像度シミュレーションで追跡した。その結果、比較的軽い分子雲コアは重力収縮をすると、高密度部は星間磁場に垂直な円盤状に変形し、さらに高密度部は球状の第1コアが形成した。一方、比較的重い分子雲コアでは、収縮中に高密度部がフィラメント状に変形した。いずれの場合にも、乱流による密度構造の擾乱は低密度部のみに限定された。原始星の周囲からは双極タイプとスパイラルタイプのアウトフローが形成された。 2.シンク粒子とオーム散逸を用いた磁気乱流星形成 原始星の周囲は密度が高く、オーム散逸により磁場が散逸する。これまではシミュレーションにオーム散逸を導入するために陽解法を用いてきた。陽解法では時間刻みが極端に短くなり、多大な計算時間が必要であった。そこで、この問題を解決するために、オーム散逸を陰解放で解く方法を開発し、現実的な時間で解くことを可能にした。
|