2009 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバー導入方式望遠鏡高分散分光器システムの実験室系での評価
Project/Area Number |
20540240
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
神戸 栄治 National Astronomical Observatory of Japan, 岡山天体物理観測所, 研究員 (80435510)
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Keywords | 光赤外線天文学 / 高分散分光器 / 光ファイバー / 視線速度精密測定 / 系外惑星 / 恒星天文学 |
Research Abstract |
現在国立天文台岡山天体物理観測所では、観測効率の向上を目指して、共同利用装置である188cm望遠鏡と高分散分光器HIDESとを光ファイバーで結ぶ計画を進めているが、本研究では、実験室に簡易分光器などを組み上げ、この光ファイバー化に使用する、マイクロレンズ、光ファイバー、イメージスライサーなどから構成される光学系の入念な検査や評価を行う。 本年度はまず、昨年度仮組みをした簡易分光器の調整、および光学系のF値、透過率、波長特性などを調べるための器具の製作を行い、これらを使用して光学系の検査を行った。また、これにほぼ並行して、実際に光学系を望遠鏡に取り付け、光ファイバー化計画のファーストライトや試験観測を行った。現在計画は順調に進んでいるといえるが、その内容を要約すると、(1)透過率は実際の観測においても1.5~2倍程度の向上がみられるが、目標とする1等級(2.5倍)にはまだ達していない。光学系の検査により、光ファイバー入射部のマイクロレンズの位置の調整不足や、マイクロレンズと光ファイバーをつなぐ仮接着剤の漏れ出しなどがあることがわかっているので、今後これらの調整作業を行う予定である;(2)スペクトルのSN比はモーダルノイズによると考えられる影響のために800程度で頭打ちになっている。今後、対策を施していく予定である;(3)青波長域の透過率が赤波長域のそれに比べ若干劣るので、現在その原因を調査中である;(4)短期間であれば、視線速度測定精度は2m/s未満が達成できている、などである。 来年度も、実験室での検査・評価や試験観測を繰り返しながら、観測効率改善を図り、系外惑星の発見や恒星の微小振動の検出などを目指す。
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Research Products
(2 results)