2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540249
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
上原 正三 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (20168652)
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Keywords | M理論 / 超弦理論 / コンぱクト化 / Green-Schwarz形式 / 超膜理論 / Dプレイン |
Research Abstract |
研究目的にあげたように、素粒子の統一理論としての有力候補である超弦理論/M理論の中で、特に11次元M理論における素励起のひとつである、空間2次元の拡がりをもつ物体であるM2ブレーンの解析を推し進めることができた。すなわち、M2ブレーンに対応する11次元超膜理論の作用を用いて、11次元時空のうち空間方向2次元分をトーラスヘコンパクト化した幾何的配位について、より綿密に解析した。 具体的には、研究実施計画にもあるとおり、type IIB弦理論に含まれる基本弦とD弦の結合状態と思われている(p,q)一弦を、元の超膜理論の作用から直接かつ具体的に導出した。 これまでは、ボーズ自由度にのみ注目して、コンパクト化した2次元トーラスへ巻き付いた状態を記述する境界条件を適切に与えることから、巻き付いた状態が、そのトーラスのゼロ体積極限において(p,q)-弦となることを、2階反対称外場との結合を具体的に計算することにより示すことに成功していた。しかし、フェルミ自由度に対しては、超対称性から期待される形の作用が導出されることを予想するにとどまっていた。 そこで今年度は、フェルミ自由度も無視せずに、元の超膜作用を2次元トーラスに巻き付かせることで、超対称な(p,q)-弦の作用を具体的に導出ことに成功した。フェルミ粒子の自由度も取り込むと、いわゆる2次元のκ-対称性と呼ばれる超対称変換に対する不変性の存在を示すことがひとつの重要なポイントとなる。我々は超膜理論にある3次元κ-対称性の縮約を注意深くおこない、(p,q)-弦におけるκ-対称性が、パラメーターの非自明な対応により導出されることを示した。
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Research Products
(1 results)