2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540251
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 丈 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60322294)
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Keywords | フレーバーの破れ / 統一理論 / Universal Extra Dimension Model / 余剰次元 / 商空間 / LHC |
Research Abstract |
標準理論を越える枠組みを探すというのが、この研究の大きな目標であり、引き続きそれに向けて研究を行った。 新しい物理のヒントを得るためには、トップダウンで理論を構築しそこからの予言を見る方法と、一般的に標準理論を越えるシグナルが何であるかを探し、標準理論を越える理論をそのシグナルの有効性が見やすい形でパラメタ化した上で、そのパラメタが優位な量であることを見るポトムアップのアプローチとがある。今年度の研究では、後者の立場で理論的な枠組みを探ることに主眼を置いた。 具体的には、レプトンフレーバーの破れがあればそれは明らかなシグナルであるので、それを見るための新しい実験を考案した。電子の一つをミューオンに置き換えたミューオニックアトムを使う方法で、現在存在している同じ目標を持つ実験との相性もいいものを提案した。現在動いているMEGやまもなく動く予定のCOMET実験と比べることで、よりよく新しい物理がどのようなものであるかを探るヒントが得られると期待できる。 同様に、宇宙の観測も実験的な手がかりとなるので、この方面からも新しい物理の探索をおこなった。具体的には、リチウム問題と言われる、軽元素の合成量が標準理論の予言と合わないと言う問題に何らかの新しい物理の影響があるものとして解析し、ある種の枠組みでは暗黒物質の存在量と併せて、整合する形でこれが説明で要ることを示した。現在進んでいる宇宙の様々な検証を経て、このシナリオがどれだけ有効であるかが分かるようになると期待できる。
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Research Products
(3 results)