2009 Fiscal Year Annual Research Report
弦理論の非摂動的定式化を用いたDブレーンとブラックホールの解析
Project/Area Number |
20540253
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 泰 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50202320)
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Keywords | M理論 / スーパーストリング / ブレーン / Lie 3-代数 / U双対性 / Seiberg-Witten理論 / W代数 / 戸田理論 |
Research Abstract |
M理論と呼ばれるスーパーストリング理論を統一的に扱う理論におけるブレーンの構造は未だに謎が多い。昨年の研究では3代数と呼ばれる新しい対称性を持つ場の理論を用いて2次元のブレーン,及び5次元のブレーンを統合的に扱う研究が大きく進展し,特に3代数の分類を通じてトーラスコンパクト化を行った時のM理論の構造が,新しい代数を用いて理解されることがわかった。 今年の研究では,この立場を更に推し進め,M理論の背景場に起因するRR背景場が対応するストリング理論でどのように現れるのかを具体的に調べた。特にU双対性と呼ばれるM理論に典型的にあらわれる対称性が,3代数の立場でどのように理解できるかを解明した。 次に,新たなプロジェクトとしてM5ブレーンの非可換対称性に起因する4次元理論の双対性についての研究を開始した。これは2009年に現れたGaiottoによる4次元理論の双対性を2次元リーマン面を通じて理解する手法を拡張するものである。M5ブレーンがN枚重なったときの対称性についてはまだ様々な議論があり,理解の進展が遅れているが,対応するリーマン面上の対称性がW代数と呼ばれる非線形対称性であることが予想されている。我々はこの考え方を更に推し進めて,より一般的なリーマン面上の点に対応する頂点演算子が非線形代数の表現論の上でどのように理解できるのかを具体的に示した。我々の対応関係は決して完全なものではなかったが,現在行っている研究でより具体的な対応関係を示そうとしている。
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Research Products
(3 results)