2010 Fiscal Year Annual Research Report
数値計算による格子ゲージモデルの相構造の研究とその相転移現象への応用
Project/Area Number |
20540264
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
一瀬 郁夫 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20159841)
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Keywords | ゲージ理論 / 計算機実験 / 強相関電子系 / 量子スピン / モンテカルロ法 / 相転移 / 格子場の理論 |
Research Abstract |
本研究においては、近年重要になりつつある種々の強相関物性現象、および量子効果が顕著に表れる多体現象を、場の量子論を用いて解析・研究することを目的とする。また、量子測定により、その量子状態がどのように影響を受けるかもその研究対象とする。研究手法は計算機シミュレーションを含むが、その手法の開発・改良も重要な研究目的である。本年度はその様な背景を受けて、強磁性超伝導現象、極低温原子系の物理、および連続量子測定下における量子波束の挙動について研究を行った。まず、強磁性超伝導現象に関しては提唱されている現象論的モデルを数値計算による解析が可能な格子モデルとして再構築し、計算機実験によりその相構造・臨界領域での振る舞いを調べ、観測されている実験事実を再現することを示した。また高温超伝導現象に関しては、フェルミオンの数値計算が困難なため、ホッピング展開という解析的方法により積分を行い、高温超伝導物質の反強磁性転移、金属-絶縁体転移および超伝導転移について調べ、低ドープ領域の物性・相構造を正しく再現することを示した。 極低温原子系に関しては特に斥力が強い場合の相構造について調べ、その相構造について予言を行った。最後に量子測定による波束への影響について、拡張されたシュレーディンガー方程式を数値的に解き、その挙動に着き興味深い結果を得た。
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