2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540266
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 達夫 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60322153)
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Keywords | 超弦理論 / 標準模型 / フレーバー / 超対称性 |
Research Abstract |
超弦理論は、重力を含む統一理論の有力な候補である。超弦理論が本当に素粒子物理として、意味がある理論であるならば、低エネルギー有効理論として標準模型を再現するはずである。本研究の目的は、素粒子物理学の様々な現象論的性質が超弦理論の枠組みからどのようにして導出されるのかを研究することである。本年度我々は、背景磁場のあるコンパクト化により導かれる4次元有効理論の様々な現象論的性質を解析した。それは、導出されるゼロモードのスペクトルが現実的かどうか、そしてそのようなゼロモード間の4次元有効理論における結合の強さの計算やその結合項などを支配する対称性などの研究である。特にそのようなコンパクト化において、特定の離散的な非可換フレーバー対称性が現れることを示した。一方で、そのような非可換離散フレーバー対称性の現象論への応用として、超対称模型の枠組みでレプトンセクターの現実的な質量行列を導出する可能性、および、そのときのレプトンのスーパーパートナーの質量のパターンの予言等の研究を行った。また、上述のような研究とは独立に超対称性の破れの一般的なゲージ伝達シナリオの枠組みで、どのようなシナリオが現在の様々な実験バウンドをクリアしつつ、ウィークスケールを導出するためには、どのようなゲージ伝達機構がもっとも模型の微調整が少なくて済むのかについて系統的な解析を行った。
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