2008 Fiscal Year Annual Research Report
レプトンによる中間子生成反応とエキゾチックバリオンの研究
Project/Area Number |
20540270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 透 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10135650)
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Keywords | バリオン共鳴 / 中間子生成反応 / ダイバリオン共鳴 / 電子散乱 / ストレンジネス / 解析接続 |
Research Abstract |
本研究の目的はバリオン共鳴、エキゾチックハドロンの構造を解明していくことにある。本年度は(1)光子による中間子発生反応によるバリオン共鳴のスペクトル(2)ストレンジダイバリオン共鳴に関して以下の研究成果をあげた。 1.中間子生成反応解析の出発点となるパイ中間子一核子反応及びエータ粒子生成非弾性反応の統一的解析を行い、中間子生成反応模型を構築した。 2.1.で構成した強い相互作用の模型を用い、共鳴の電磁結合定数を現象論的パラメタとしてW<1.6GeVのエネルギー領域におけるパイ中間子光子発生過程の研究を行い、パイ中間子生成断面積が非常に良く記述されることがわかった。 3.1.で構築した模型の予言する非弾性過程、とくに重要な寄与をもつ2パイ中間子生成過程に注目して解析を行った。このこれにより、中間子生成模型のpi-Delta, rho-N振幅に修正を加えることにより2パイ中間子生成断面積もうまく説明できていることが解った。 4.共鳴エネルギーは散乱振幅の極で与えられ、またその電磁的性質は振幅の極におけるresidueから与えられる。1,2,3の解析からえられた中間子発生反応の振幅から共鳴の情報を引き出すために、振幅の解析接続の方法および共鳴のエネルギー、電磁形状因子を抽出する方法を開発した。 5.KPPの共鳴であるストレンジダイバリオンの解析を行った。この共鳴粒子の質量を決定するには、Faddeev方程式によるチャンネル結合3体問題を取り入れた解析を行うことが非常に重要性であることが明らかになった。 以上の成果にうち1,2については雑誌に発表済み、3-5に関してはすでに投稿済みで近日出版される。
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Research Products
(6 results)