2010 Fiscal Year Annual Research Report
レプトンによる中間子生成反応とエキゾチックバリオンの研究
Project/Area Number |
20540270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 透 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10135650)
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Keywords | バリオン共鳴 / 中間子生成反応 / ダイバリオン共鳴 / 電子散乱 / ストレンジネス / 解析接続 |
Research Abstract |
本研究の目的はバリオン共鳴、エキゾチックハドロンの構造を解明していくことにある。本年度は1.光子による中間子発生反応によるバリオン共鳴のスペクトル2.ストレンジダイバリオン共鳴3.格子QCDと有効場の理論の方法に関して以下の研究成果をあげた。 1.中間子発生反応の解析により得られた振幅を用い、核子共鳴の構造を特徴付ける共鳴の崩壊分岐比の解析を行った。一般に共鳴粒子の崩壊分岐比は現象論的に共鳴断面積により定義される。一方理論的には共鳴は散乱振幅の極として得られる。共鳴が2粒子に崩壊する場合散乱振幅の共鳴極におけるResidueから崩壊分岐比を求められることが分かった。さらに核子共鳴で大きな分岐比をもつ3粒子崩壊の場合Residueを用いた分岐比の導出は自明ではない。そこでここでは3粒子崩壊にも適応可能な分岐比導出の方法を開発した。 2.有効レンジ理論を用いてKN-πΣ相互作用について解析を行った。この相互作用はストレンジダイバリオンであるKNN共鳴において中心的な役割を果たす相互作用である。KN観測量を再現するという条件のもとでカイラル有効模型、現象論的分離型相互作用を用いて閾値近傍の物理量(散乱長、有効レンジ)の解析を行い相互作用模型のoff-shell依存性を検討した。その結果KNより低い閾値を持つπΣ散乱の閾値物理量はKN共鳴であるΛ(1405)の構造を大きく反映しまた閾値以下のKN相互作用を制限する非常に有用な物理量であることが分かった。 3.核子共鳴であるΔ(1232)のアイソベクトル型軸性ベクトル流形状因子を世界で初めて格子QCDを用いて導いた。得られた結果はまたカイラル有効理論による結果と比較しパイ中間子質量依存性などを検討した。結合定数と比較した。
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Research Products
(4 results)