2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田越 秀行 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (30311765)
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Keywords | 宇宙物理学 / 一般相対論 / 重力波 / ブラックホール / 中性子星 / 重力波検出器 |
Research Abstract |
1. 2台の地上レーザー干渉計を用いて合体するコンパクト連星系からの重力波を検出する手法について、最尤法に忠実なコヒーレント法と、従来広く用いられているコインシデンス法の比較を行った.その結果、コヒーレント法がより高い検出効率を与えることが分かった.しかしその差は5%程度であまり大きくないことも分かった.この研究は昨年度までにほぼ完成していたが、論文としてまとめ投稿し、受理、掲載された. 2. 複数の地上レーザー干渉計を用いてコンパクト連星からの重力波を検出する際の、重力波を記述するパラメータの決定精度をフィッシャー情報行列に基づき理論的に評価した.波形としては振幅変調を取り入れない「制限波形」とそれを取り入れた「Full波形」を用いた.その結果、1から10倍の太陽質量で、200から300Mpcにソースがある場合、「制限波形」を用いた場合、Advanced LIGO相当の検出器ネットワークでは方向決定精度は約1°程度であるが、Einstein Telescopeでは数分程度まで良くなることが分かった.また10倍太陽質量以下ではFull波形の効果は小さいことが分かった.100倍の太陽質量以上の場合、正確な「Full波形」を用いると、方向決定精度はあまり変わらないが、距離の決定精度が2倍程度改善することが分かった. 3. 2009年4月に神岡鉱山内にあるレーザー干渉計CLIOが試験観測を行った.そのデータの品質評価を行った.その結果は今後のレーザー干渉計改良に生かされていく予定である.
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