2008 Fiscal Year Annual Research Report
余剰次元理論における新しいモデルの構築とLHC・ILCに向けた解析
Project/Area Number |
20540272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波場 直之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00293803)
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Keywords | 超対称性理論 / 大統一理論 / 5次元理論 / ニュートリノ / 世代構造 / R対称性 / CPの破れ / 超重力理論 |
Research Abstract |
超対称性の動力学的破れの機構において、従来は、ヴェクトルライク理論では真空が擬安定であり、更に繰り込み群を考えると高エネルギーで結合定数が発散してしまいトリビアルな理論しかできないと考えられてきた。しかしながら、近年擬安定の真空でもその真空が宇宙年齢に比べて十分安定であればいいのではないかと言う新たな理論が提唱されてきた。しかしながら、この理論では、R対称性等を露に破る必要があるが、その破れをどのように理論に組み込めばいいのか全く分からず、試行錯誤が行われるだけであった。そこで、私は、長重力理論に理論を拡張すると、宇宙項をゼロにするために導入する定数項でR対称性が自然に破れることに注目し、シンプルで新しい超対称性の動力学的破れの機構を提唱した。 また、レプトンの質量公式を超対称性がF項で破れた場合に導出される可能性を示し、その場合の現象論の解析を行った。また、5次元のインターバル上のSO(10)大統一理論の構築を行い、従来不可能だと思われてきた5次元でのSO(10)大統一理論の構築に成功した。クォーク・レプトンの各世代が5次元方向の局在すべき位置や超対称性の破れの機構、そして、ゲージ結合定数のエネルギー依存性について解析を行った。 さらに、強い相互作用においてCPの破れが非常に小さいことに関して、5次元理論の枠組みで新しい解決の可能性を提唱した。また、カスケード質量行列形から、現在のニュートリノ振動実験が示すニュートリノの世代間混合がうまく導出されることを示した。
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Research Products
(13 results)