2009 Fiscal Year Annual Research Report
余剰次元理論における新しいモデルの構築とLHC・ILCに向けた解析
Project/Area Number |
20540272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波場 直之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00293803)
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Keywords | 余剰次元理論 / ニュートリノ世代構造 / LHC・ILC加速器実験での検証可能性 / 5次元超対称性理論 / ゲージ・ヒッグス統一模型 / ダーク・マター / 等価定理 / 境界条件での対称性の破れ |
Research Abstract |
本研究の目的は、クォーク・レプトンの世代構造の解明であり、アプローチの方法として、素粒子の標準模型の背後にある新しい物理として有力な、余剰次元理論と超対称性理論(SUSY)を使って新しい模型の構築をし、LHC・ILC実験でどの様に観測されるかを解析することである。この目的に向かって研究計画をたてて、研究を行った結果、今年度は主に以下の研究実績が得られた。 (1): 右巻きニュートリノが、5次元バルクに広がる余剰次元理論において、右巻きニュートリノのバルクMajorana質量項の効果で、シーソー機構が働き、(ニュートリノ振動実験を再現する)ニュートリノの世代構造が実現される場合に、3つの荷電レプトンが終状態に現れるLHC・ILC実験でのプロセスを調査した。 (2): 余剰次元理論において、トップ粒子の湯川相互作用と、トップ粒子とHiggs粒子のcouplingのズレを自然に導出するプロトタイプの模型を構築した。更に、この模型において、Higgs生成プロセスやSTUパラメータ値等の解析を行った。また、LHC実験でのこの模型の検証可能性について解析を行った。 (3): 余剰次元ゲージ理論において、境界条件でゲージ対称性を破る場合、ここで重くなったゲージボソンの散乱振幅の(Wilsonライン位相をパラメータにした)エネルギー依存性の解析をおこなった。その結果、高次元ゲージ理論においてNGボソンの等価定理の理解が深まった。 (4): ゲージ・ヒッグス統一模型において、ダーク・マターが自然に導入されることを示した。具体的に、SO(5)×U(1)模型について、ダーク・マターのrelic abundance等を解析して、(今後の)ダーク・マター探索実験での観測可能性について評価を行った。
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Research Products
(11 results)